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  • 執筆者の写真Takayuki

不動産契約書を読み解く1



契約書の条文で代表的なポイントをご紹介します。

※すべての契約書がそうなっているわけではありません。私が見てきた契約書でそのような点があったので、それを基に記載してますのでご注意願います。


1.契約時支払う手付金について

【関東】

手付金は、残代金支払いのときに、売買代金の一部に充当する。


【関西】

手付金は、残代金支払いのときに、売買代金の一部に無利息にて充当する。


この違いおわかりでしょうか?

関西では【無利息】の言葉が入っています。

なぜ?それは、無利息の言葉を入れておかないと受け取っている売主が知らぬ間にその手付金に対して利息が発生していくからです。

例を出していくと

売買価格1000万円 手付金50万円とした場合。


本来は手付金50万円を支払うと、残金が950万円。この残額を支払うことになりますが、無利息が無ければ利息が計上され、わかりやすく利息が1万円ついているならば、残金949万円しか受け取ることができなくなります。


書いていながらかなり語弊がある書き方だと思ったので少し修正を付け加えると、我々が使用する契約書を提供しているところで違いが生じるということです。

ただ、私が目にした契約書のひな型が関東で使用されているひな型と伺いました。実際に条文に目を通してみると、先に書いていた条文で記載されていました。

あくまでも私が目にしたその契約書が関東で使用されていただけなので、関東がすべてそのようになっているわけではありませんのでご了承ください。

この利息についてのお話は民法の404条に定められています。機会があれば見て下さい。法定利息としての定めがあります。

この4月1日から施行される新民法でも改正がされますので、私達不動産会社はしっかりと勉強が必要です。


2.名義変更の規定について

【関東】【関西】

名義変更をする時に発生する費用の定めなどが規定されています。

関東の場合は、売主負担の文言が無い場合があります。関西では、売主にかかる費用は売主、買主にかかる費用は買主としっかり記載されています。

なぜ記載がないのか?

この違いは名義変更を行う司法書士の先生の手続きにも由来すると思っています。

以前私が司法書士の先生から教えて頂いたのが、

関東で名義変更するときの書類は、買主用に作成した書類の写し程度の意味合いでした。なので、書類を作成しないので費用が発生しないため、不動産の売買契約書へも記載が入っていないと思っています。

関西では、売主のために売渡証書と呼ばれるものが作成されていました。なので、売主からも報酬を頂く。それも関係していると思っています。

実際には売渡だけで済むケースもあれば、住所が変わっていれば住所変更、住宅ローンの返済も併せて行う場合は、抵当権の抹消も必要になります。この抹消についても契約書にかかれているからです。そうなると、この売主にかかる費用の文言が無ければ、買主さんが売渡証書作成費用、住所変更の費用、抵当権の抹消費用をお支払しないといけなくなります。


なぜこんなことを書いたかというと、以前の勤め先が関東だと書きましたとおり、関東の本社では売却する時の登記報酬は支払いをしていなかった。(請求されていなかった)そのため、なぜ大阪では支払が生じるのか?本社からかなり突っ込みが入りました。知り合いの司法書士の先生や同業の方にお話を聞くと、大阪では売渡費用をお支払するのが商習慣ですよと。それを報告したらこれまたこっぴどく叱られた記憶があります。

大げさな言い方で言うと、関東のやり方が全国の見本だというようなお話で、一地方の大阪のやり方を採用するのはおかしい。そんなことでいつも売却する際に依頼するときは無償で手続きを行って頂けるよう交渉したり、必要書類を整えたりと気を使うことが多かったです。その甲斐あって、上記のようなお話を聞かせて頂ける機会ができたのと、登記手続きにも詳しくなったのでそれはそれですよね。



ちと脱線したので戻ります。


書いている内容を見て頂けたらそのままの通り、

法律に少し詳しい方であれば「ピン!」と気づかれてその点を指摘されたら契約書に載っていないので、その主張通り受け入れるしかありません。

そんなことが使用する契約書のひな型によって定めがあったり、無かったりします。

個人さんでその違いなどを見ていくのはとてもじゃないですが、かなり至難の業です。


お互いに理解ができていない状態で、不動産会社さんが作成してくれたから大丈夫。市販で売っているやつを使っているから大丈夫。そんなわけではありません。


繰り返しになりますが契約書を取り交わすのは約束事を守る事と無用なトラブルを避けるためです。

そのためにも専門家に相談されて、売主、買主ともに理解したお取引を心掛けて下さい。

実際に仲介として間に入って頂くと仲介手数料が発生するのでもったいない。そう思われるかもしれませんが、結局知り合い同士で契約したがために、いいたいことが言えない。口論となったことで人間関係が崩れた。そうなり兼ねません。それであれば多少はお費用をかけるほうが安心だと思います。

次回はさらに契約書の内容を掘り下げていきたいと思います。

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