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不動産投資 競売ビジネス7


競売の入札において一番の懸念。リスクは何といっても所有者(占有者)の退去交渉です。 室内が見れないことによるリスクよりも皆さんはこちらのリスクを懸念される方が多いのではないでしょうか。 そのために入札にチャレンジして見事落札したからと言って手放しで喜んでいられる状態ではありませんよね。 できることなら所有者(占有者)とも交渉なく終えることができれば一番ですが、そういうわけにもいきません。 また多くのネットに掲載されているリスクの紹介されている記事でも

「不法な占有者が住んでいることがある」

「占有屋が住んでいたら」

など、不安をあおる言葉が多いですが、私が経験した中では運が良かったのか時代の流れなのかそのような方との出会いはありませんでした。 しいて上げれば一つ、二つあるくらいですね。 なので所有者(占有者)との交渉の進め方がわかっていればそんなに難しいことではなりません。 ただいきなり所有者(占有者)の元へ出向いて話し合いをするのはハードルが高いと思います。 前回の記事でもご紹介しました通り手順を踏んで進めていきましょう。 そして大切なのは

「住んでいる方にプレッシャーをかけすぎないこと」

「所有者(占有者)の言うことをすべて信用しないこと」

「感情的にならないこと」

この3点は頭において取り組んでくださいね。 さて、今回は私が経験した競売の占有者交渉のお話で「あわや強制執行」になりかけたお話をご紹介させて頂きます。

■競売物件の内容

・占有者は高齢の女性一人住まい。犬を1匹室内で飼育。 ・所有者は女性の息子。 ・物件は区分マンション(ファミリーマンション) ・滞納金額100万以上 ・任意売却の依頼を受けた不動産会社が介在 ※ここでは「占有者」と「所有者」が同一人ではないのでご注意ください。 今回お話する案件も私が競売ビジネスに従事し始めてまだ間もないころの案件でした。経験値が少なかったためあたふたすることが多かったのを覚えています。 同じようなケースが存在することは少ないですが、もし似たようなケースに遭遇した方の参考になれば幸いです。


【ステップ1】 落札結果を受けて、所有者宛に競売物件の住所地へ手紙を郵送。 【ステップ2】 所有者から連絡がないまま、時間が経過し、裁判所にて売却許可決定の写しを取得。 この時に今回の競売案件の記録を閲覧します。 債権者が申し立てを行った時の書類や、入札した方々の入札書も見ることができます。 入札書なので、誰が幾らの金額を入札したのか? 競売ビジネスを長らくされている方はあまり必要ではないかもしれない情報ですが、競売ビジネスをこれから考えている方は是非、閲覧することをお勧めします。 そうすることで競合する同業他社の取り組みされる目線などもわかるので今後入札シミュレーションをする際に役立ちます。 私の場合は、コピーを取ることも可能でしたが、枚数が多くなってかさばるので、ノートに記録をつけていました。 ※この閲覧ができるのは当事者のみ閲覧することが許されています。 なので、債権者、債務者、落札者が該当してきます。 【ステップ3】 売却許可決定の写しを持参して自宅へ直接訪問。 インターホンを鳴らすと普通に占有者が出迎えてくれました。 ※入札する際に閲覧する3点セットに占有者の存在は記載されていたので予測して対応しています 自社が落札したことを伝えてこれからどのように進めていくか?お話をしました。 以下、当時のやり取りとしては、 私:「この度、今お住まいのお家を弊社が落札しましたので、今後弊社の名義へ変更されます。名義が変わるまでしばらく時間はありますが、お引っ越しなどのご準備はいかがですか?」 占有者:「私の家ではなく、息子名義の家だからわかりません。すべて息子に任せているからね。」 私:「ではお引っ越しなどのお話は息子さんとご連絡を取らせて頂いてお話を進めさせて頂けたらよろしいですか?」 占有者:「そうですね。私は何もわかりませんから。」 私:「そうしましたら息子さんの連絡先を教えて頂けますか?私から一度ご挨拶も含めてお電話させて頂きます。」 占有者「わかりました。息子の携帯電話の番号をお伝えしますね。電話番号は・・・・」 最初のやり取りとして詰めすぎるのはよくありませんので、誰が窓口になってお話をするのか確認ができましたのでその日はそれで退室しました。 【ステップ4】 教えて頂いた携帯電話の番号へ電話をしました。 初回の電話はなるべく日中にお電話をするようにしています。夕方などになると不在で電話がつながらず折り返しのお電話頂く際に夜分になるとよくないため、日中にお電話をしていました。 息子(所有者)とのお話の内容をまとめると ①自分は自分の家族と一緒に住んでいるので母親を一緒に住ませることができない。 ②そのまま母親を住まわせてほしい。賃貸という形で部屋を貸してもらえないか? 主張としてはこの2点でした。 比較的落ち着いた対応で言葉は適切でないかもしれませんが、低姿勢でお話をして下さいました。 私の対応は、その場では明確な回答をせず、会社へ相談するということで電話を切りました。 大切なお話なので次回返事をする時に直接お会いしてお話をさせて頂きたい(アポ取り)とお伝えしました。 私が従事していた会社は賃貸での貸し出しなどは行っていなかったため会社へは報告のみ入れましたが、相談事項ではありませんでした。会社からも同様に賃貸はNGとの回答でした。 【ステップ5】 所有者への連絡2 アポ取りのためお電話を入れたときに、賃貸で貸してもらえるのか?それを教えてほしいと言われ、お会いしてからお話すると言っていたのですが、それを聞いてから話し合いの場を設けたいと言われました。 そのため賃貸でお部屋を貸すことはNGと伝えると前回の低姿勢の対応から一転。 それができないなら会う必要はないとシャットアウトされ、一方的に電話を切られてしまいました。 そのあと、何度か電話をかけても電話には出て頂けませんでした。 【ステップ6】 再び占有者の元へ 息子(所有者)との連絡が取らなくなったことと、それまでのやり取りをお話させて頂きました。 しかし息子が決める事だから、私はわかならいとその回答のみです。 その場で占有者と話をしても前に進む様子がなかったため占有者から所有者へ連絡を入れて頂いて話をしてもらうよう依頼して退室しました。 【ステップ7】 占有者からの呼び出し 占有者から話があると言われ物件へ。 室内に入ると知らない男性が二人いらっしゃいました。 てっきり息子さんかと思ったのですが、服装や格好を見るとそんな風にはみえません。 挨拶されると任意売却で活動していた不動産会社でした。 私にとって、初めて不動産会社が同席する交渉の場となりました。 思い出すと腹が立つ! 当時の私はスキルがなかったため、不動産会社の介入によりあたふたしてしましました。 話の流れはその不動産会社は占有者、所有者の味方であるという立ち位置で、私を悪者として話を進めていきます。 今であればまったく気にすることなく話はできますが、当時はそんな余裕もなく言われるがままに何も言えませんでした。 その結果、話し合いでは解決が望めないという結論に至り、強制執行の話へと進むこととなりました。 【ステップ8】 強制執行のお話 私:「なんとか話し合いで解決を図ろうとしてきたけども、まったく協力的でないあなたたち(占有者、所有者)とはこれ以上話し合いを続ける価値がありません。ですので、残念ですが、強制執行の手続きを進めていくこととします。」 占有者:「強制執行されるとどうなるんですか?」 私:「強制的にこの家から占有者、犬、家財道具すべて外に運び出すことになります。」 占有者:「そんな勝手なことをされたら困ります。第一息子(所有者)が良いというかわかりません。」 私:「息子(所有者)さんの意思は関係ありません。ただ、形式的な手続きに従って占有者に出て行ってもらうだけです。」 占有者:「そうなったら私はどこに住めばいいんですか?」 私:「その話を息子(所有者)さんともお話しようとしましたし、あなたにも話をしてきましたよね?それに対してまったく耳を傾けることなく今現在に至っています。それは息子(所有者)に相談してください。」 占有者:「この歳になってそれはあんまりではないですか?」 私:「私も不本意ですが残念です。明日以降に裁判所へ強制執行の手続きの申し立てを進めていきますので息子(所有者)さんにお伝えください。何かあれば息子(所有者)さんから私へ連絡を頂いても構いません。」 ※強制執行のお話をするまではのんびりと構えている方は多いです。 知り合いなどを通じて不動産会社を紹介してもらって相談に乗ってもらっている方が多いです。 その時に色々とアドバイスや知恵を授けてもらっているようですが、正直、落札者に対して誠実でない対応となりがちです。そうなればもはや逆効果で良いことは一つもありません。 占有者の立ち位置から言うならば、誠実に引越ししたいけど引越し先が見つからない。お金がない。そのような話をすることが大切です。 そうなればある程度落札者からも協力を得ることが期待できます。 私が経験した不動産会社からのアドバイスは単に「ごねる」「困らせる」それが多いです。なので、万が一競売にかかることがありましたら、気を付けて下さい。 【ステップ9】 強制執行の申し立て 大阪地裁本庁の入札をしていましたので、手続きは2か所での手続きでした。 ①大阪地裁(入札、開札が行われる)へ申し立てへ行きます。 ここでは「債務名義」という、強制執行を行うことを許可します! そのような書類を頂く手続きをします。 ②大阪地裁(強制執行を受け付ける裁判所)へ強制執行の手続きへ行きます。 強制執行の申し立てをしてからの準備。 ・荷物を運び出す、荷物を保管してもらえる業者の選定 ・当日、物件が不在の場合のために鍵屋さんを選定 ※これも裁判所へいくとリストがあるのでそちらを見て、自分たちで連絡を入れて段取りをします。 ※①は大阪の場合は新大阪にあります。②は大阪の場合は中之島にあります。 【ステップ10】 裁判所執行官と共に物件へ 先程の業者を連れて執行官と共に現地へ行きます。 別に落札者が立ち会う必要はありません。ただ同席するとどのようなことがされるかわかるので、初めての方は同席するとよいです。 荷物を運び出す業者が室内の荷物の量を見て見積りを作成してくれます。 執行官から室内への注意喚起がされます。 最後に室内の壁に注意喚起の紙が貼られます。 紙には今後、強制執行が行われるまで、室内は善管注意義務をもって大切に扱うようにとの張り紙です。 【ステップ11】 強制執行前日 いよいよ明日が強制執行となる前日に占有者から連絡が入りました。 引越し先が見つかったので今日その日の夜に退去するとの連絡でした。 引越し先の住所を確認し、ネットでその物件を調べると確かに存在していました。 そして、管理する不動産会社へ問合せを入れると申し込みが入っているとのこと。 裏取りもできましたので会社へ報告。 会社との話し合いの結果、強制執行を取り下げることになりました。 強制執行は前日までであれば取り下げることができます。 そして、取り下げたけどやっぱり強制執行しないといけない。 その場合はまた、一から手続きが必要となりますので注意ください。 夜に現地へ伺うと所有者の兄が引越しの作業をされていました。 そして、すべての荷物を運び出した後に家のカギを受け取りようやくミッション終了です。

退去交渉の学びと注意点

①不動産会社が立ち会う、知恵を受けている占有者には注意が必要です。 なんの根拠もない持論で話をしてきます。無駄にかき回されないように冷静に対応しましょう。 いわば、まったくの第三者なので話し合いの場に入る権限はありません。 知恵のみ受けている方は、こちらの話を理解して頂けない方が多いです。 ②強制執行の話をだすことも人によっては有効。 占有者によってはのらりくらりとだらだら時間を稼ぐ方もいてます。 その場合は強制執行の話を切り出すのも一つです。 強制執行にかかれば、どのようなことがおこるのか?その話をするだけでも心理的にプレッシャーが相手にはかかります。 ただ、初回からそれを持ち出すと室内で不幸な出来事が起こる可能性もあるので取り扱い注意です。 息子(所有者)は最後まででてくることはありませんでした。 しかし、お引っ越しを手伝われていたお兄さん、占有者からは最終的には感謝の言葉を頂きました。 同じ人なので気持ちは通い合います。 お互いが感情的になるとお話がまとまるものもまとまらないことがあります。 以上お読みいただいた方で、自分には合わないと思われる方は初回から強制執行を行うのもよし、入札をしないのもよし。 競売ビジネスに参入されようとお考えの場合は抑えて頂けたらと思います。

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