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執筆者の写真Takayuki

不動産投資 競売落札物件から収益性を考える2



今回も3月12日に開札が行われました大阪地裁本庁の開札物件の落札結果より収益物件として魅力があるのか否か?

また、入札していた時の考え方やリスクなども併せてみていきたいと思います。


今回の物件は

守口市南寺方中通1丁目の倉庫です。


売却基準価額は377万円になっています。

買受可能価額は約301.6万円です。


この物件の落札された内容は

落札の札数は11件でした。

落札者は個人のようです。

個人の場合は、個人の不動産屋も含まれるため、一般の方か不動産屋なのかわかりませんが、ここでは一般の個人として捉えてお話を進めていきます。


落札価格は

約538万円でした。


 

近隣の相場を見ると目安として6万円です。


では、賃料6万円とした場合での収益性を見ると


6万×12ヵ月=72万円

72万円÷538万円×100=13.38%(表面利回り)

※登記費用・不動産取得税は考慮していません。


敷地内に駐車スペースもありますのでプラス1万円を乗せた設定にすると賃料は7万円です。


7万円×12ヵ月=84万円

84万円÷538万円×100=15.6%(表面利回り)

※登記費用・不動産取得税は考慮していません。


利用用途は倉庫になっていますので借主は事業者向けになるので借り手がつけば長く利用頂けそうです。

申込が入るまでの空室リスクはありますが、倉庫と駐車場として利用できるならば需要はありそうですね。


贅沢を言えば20%近く収益性は欲しいですが、15%を超えてくるなら持っていても悪くないと思います。


なので、今回の入札件数が小振りなタイプですが、倉庫事業用としての貸し出しが見込めることを考えると良さそうです。


 

では、ここからは物件の内容を見ていきます。


今回の落札額はどの点を注目しての落札金額だったのかを3点資料より見ていきたいと思います。


■物件情報

 守口市南寺方中通1丁目

 土地が1筆、建物1筆の計2筆です。

 土地は所有権として持っています。

 土地の面積は56.19㎡

 建物は木造スレートぶきの平屋建てです。

 床面積の表示は38.69㎡(登記記録)

 建物は昭和47年6月の建築です。

 間取りは倉庫です。

 角地になっています。

 前面道路東側は幅員約5m(42条1項3号道路です)

 前面道路南側は幅員約2.6m(42条1項1号道路です)(建替え時のセットバックは0.909㎡の道路後退が必要と考えれる)

 一部角部分が隅切りのため、0.5㎡道路提供されている。但し約0.5㎡の追加負担が必要と考えれる。

 将来のセットバックと現在の道路負担面積の合計で約15.59㎡

 現在の土地面積が51.69㎡-15.59㎡=36.1㎡が有効面積と考えられます。約11坪程度です。

 間口は約3.7m。奥行約15.5m。

 建築確認はありますが、検査済み証はありません。

 最寄駅は大阪metoro今里筋線「清水」駅。東方820m徒歩11分です。

 駐車スペースが1台分あります。

 ライフラインは上下水道、電気・都市ガスです。

 物件の管理状況は「やや劣る」とのコメントが記載されています。

 固定資産税・都市計画税は61,987円です。


■占有状況について

 所有者は法人。

 法人の代表が亡くなってから営業活動を停止している。

 営業活動停止に伴い、資材や工具などの動産を倉庫に置いている状態。

 ※回答者は、所有者の特別代理人及び法人の役員がコメント。


■物件の特徴

 建替え時にセットバックが必要。

 境界が不明。専門家による測量を要する。

 所有者(法人)の軽自動車が駐車スペースに駐車した状態。

 北側隣接地より建物の庇、広告看板が本物件と地上に越境している可能性がある。

 一部増築がある。

 北側隣接地との間にブロック塀を利用して増築されている。一部越境の可能性あり。

 倉庫内に資材、工具などの動産類が置かれている。

 建物天井部に損傷及び雨漏り跡が見受けられる。


■室内写真より

 上記物件の特徴で記載した内容の写真が掲載されていました。


■入札のポイント

隣地との境界がわからないため、正確に境界を確定するのに時間と費用がかかりそうです。

しかし、特にすぐ転売などをしなければ今すぐ境界を確定しなくても良いかと思います。

売却の際に次の買主さんからご指摘はあると思うので、そのタイミングで確認してもよいでしょう。

なので、境界に対するリスクはあるものの、今ある状態であれば大きな問題とは考えていません。

倉庫内に資材等が残っているようですが、所有者(法人)役員との連絡が取れることを考えるならば、廃棄、移動の費用は別とすれば対策は比較的スムーズに進められる印象です。

敷地内に止めている軽自動車について。これも上記同じく所有者(法人)役員と連絡がとれていれば大きな問題にならないと思われます。

これが持ち主不明な場合などは警察への連絡等も必要となってくるので少し手間がかかります。


 

上記より、収益物件として持つには手頃な物件かと思います。

収益ならではですが、入札する際は落とすための入札ではなく、ご自身の計画に見合う物件か否かの判断で入札をするようにご注意ください。


すべて状況からみると5段階評価するならば(1は消極的~5は積極的)間の4の評価ですね。


個人的には大きなリスク負担は少ないと判断しました。

室内の残置物、車の移動等についての明け渡しは1か月程度あれば十分に片付くと思います。


出口を考えると

一番良いのは現在の所有者に賃貸が望ましいですが、活動停止であれば賃料を頂ける可能性は低いので、中の荷物を片付けた後に、室内の補修をすればすぐに賃貸募集スタートの勢いです。

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