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  • 執筆者の写真Takayuki

不動産投資 落札結果から振り返る



私が普段利用している競売の大阪地裁本庁の入札ができなくなりました。


そして、先日全国的に緊急事態宣言が発出されて、多くの裁判所の入札案件が見れなくなりました。


なので、過去の大阪地裁本庁の入札案件で落札結果がでているものを見てみます。


いつもは入札案件でシミュレーションをして、その後、開札結果を見て落札結果を見ていたのですが、それができないので落札結果を見てどのような入札金額を考えていたのかを検証したいと思います。


今回取り上げるのは


大阪地裁本庁で3月12日に開札が行われた入札分です。


 

今回のサンプルは


■事件番号令和01年(ケ)第727号

■売却基準価額|8,680,000円

■買受申出保証額|1,740,000円

■所在地|大阪市中央区南新町二丁目9番地

■種類|居宅

■専有面積|20.36㎡


開札結果

■落札金額|12,545,450円

■入札者数|11件

■落札者資格|法人


3点セットを見ていきます


■固定資産税|29,857円

■都市計画税|7,081円


【物件明細書】

4物件の占有状況等に関する特記事項

【物件番号1】本件所有者が占有している。


■占有者および占有状況

建物所有者が本建物を住居(空家)として使用している。


■管理費等の状況

・管理費|5,680円

・修繕積立金|2,050円

■滞納について

・令和元年10月現在滞納は無し。


■執行官の意見

1.令和元年10月24日、同年11月1日に目的物件で呼びかけ、そして、投函した照会文書またはご連絡所及び回答用紙等に対する連絡はいずれもないことから、空家であると思われたので、同年11月11日に承認を断ち会わせ解錠し立ち入り調査を行った。

2.目的建物に立ち入った所、物がないなど、空家状態である。

3.1~2を踏まえて、目的物件は空家の状態で所有者が占有しているものと認めた。


【お部屋の設備など】

1.室内洗濯機置き場

2.ミニキッチン

3.浴室、トイレ別

4.フローリング

5.角部屋

※室内の荷物は無し、空家状態です。

※写真の画質が今回悪いので、わかりにくいですが、きれいに掃除をすれば利用できそうです。


【位置・交通】

・大阪metoro谷町線 谷町四丁目駅 北西方 道路距離約500m

・築年月日|平成15年6月新築

・経過年数|約16年

・経済的残存耐用年数|約39年

・設備

→エレベーター1基、駐車場、駐輪場、ごみ置き場

・修繕積立金|21,171,057円(令和元年7月現在)

・10階角部屋北向き


■調整後の価格

12,402,000円


■落札価格

12,545,450円


 

結果だけを見ると、調整後の価格評価と落札価格の結果がほぼイコールとなりました。


【現在の家賃帯】

早速、今回落札されたお部屋が募集されていました。

賃料|59,500円

管理費|9,000円

礼金|50,000円

上記条件で募集中でした。


では、不動産投資らしく収益計算で見てみると


表面利回りで計算してみましょう。


家賃59,500円+管理費9,000円=68,500円

■68,500円×12ヵ月=822,000円(年間利回り)


■822,000円÷12,545,450円×100=6.55%


※表面利回りのため、管理料や月々のランニングコストは入れておりません。


資料上でわかる経費を入れて見てみましょう。


毎月の収入|68,500円

毎月の支出|7,730円(管理費・修繕積立金)、固定資産税等月割り|3,078円。管理会社合計10,808円

■68,500円-10,808円=57,692円(月の手取り額)×12ヵ月=692,304円(年額)


■692,304円÷12,545,450円÷100=5.51%


決して飛びつくような利回りではないですが、物件の場所柄を考えると空室リスクもそんなに考えなくてすみそうなので、手堅い物件でしょう。


今回は、たまたま見るタイミングが良かったので、落札された物件が募集されている事例まで見ることができました。


競売で落札することで大切なのは過去の落札事例からみると本当にわかりやすいです。


BITでは3年前までのデータを見ることができます。


ただし、詳細な内容まではわからないので、競売を勉強してみようと思われる方は手間かもしれませんが、毎回行われる競売のデータを蓄積されるのが一番だと思います。


ネットの情報を色々見てると、


・競売とは?

・競売入門

・競売は儲かるの?

・競売はやめておけ

・競売で儲かった!

・競売のリスク

・競売のメリット・デメリット

などなど、不動産投資をお考えの方向けへのメッセージが非常に多いですよね。


確かに、個人の方が入札をされる場合は、不動産投資での入札しかありませんもんね。


と、書きながら思い出しました。


私が競売を始めたころの話で、いつもの業務の一環で裁判所で入札案件の事件簿を閲覧していた時に、個人投資家さんと思われる方にお話をしている個人投資家さんがいてました。


その時の会話を思い出しました。


A:「個人で入札されているんですか」

B:「ええ、そうですよ。」

A:「もう何件か落札されているんですか?どんな物件を入札されているんですか?」

B:「4,5件くらい落札してますよ。私は、アパートとかの一棟の建物を入札しています。」

A:「それはどんな物件ですか?」


などなど、かなり熱心にご質問されていました。

なかなか競売の話を聞きたいけど、聞ける人がいない。それが現実ではないでしょうか?


恐らく、競売の経験がない不動産屋に入って相談されても、


■素人が手を出すのは難しいし危ないから止めておきなさい。

■プロの僕たちすら手出ししないからね。

■競売儲かるの?

■落札できたらどうするの?賃貸で貸すの?売るの?

そのような回答がほとんどではないかと思います。


不動産屋である私達が行くと、さらにはっきりしています。

落札できたらそのあとは、自社で販売するのか?自社で保有するのか?どうするのか?


私たちの返答次第で、どのように返事をしようか値踏みされている感じもあります。


一般の方であれば今後のお付き合いを考えて色々教えてくれる方もいらっしゃるかもしれませんが、期待はできません。


前にも書きましたが、不動産屋は間違っても損をさせる金額は言いません。


裏返すと、落札できる金額に近い金額を提示はしてくれません。


その教えてもらった金額は最低ラインだと思って、後は自身でどれだけ高く入札できるか?それを考えることも大切です。


と、いうことで、今回は落札結果から入札物件を見てきました。

幸いにして、募集事例まで見つかったのでこの度の落札価格での収益目線を知ることができました。


落札した物件から見るとどのような目線で入札をされたのか検証ができるのはいいですね。


また今後もこのように振り返り検証をしていきますね。


不動産投資として競売は利用できるのか?

引き続き検証していきます。


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