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  • 執筆者の写真Takayuki

不動産投資 女性の投資4



過去3回の記事で女性の方が不動産投資を選ぶなら1R、1Kをお勧めしますと書いてきました。


前回ではなぜ1R、1Kをお勧めするのか?

その点も書いてきました。


では、実際に現在販売されている物件からどのようなシミュレーションができるのかを考えていきたいと思います。


今回は300万円以下で購入できる1R,1Kタイプのマンションを見ていきましょう。


不動産投資物件を扱うポータルサイトへ掲載されている物件からご案内します。

そのため、特定できる情報は掲載ができません。お許しください。


 

【物件詳細】

■販売価格|250万円

■想定賃料|25,000円(※1)

■表面利回り|12%(※2)

■場所|大阪府下

■駅等|私鉄沿線・徒歩10分圏内

■タイプ|ワンルーム

■広さ|18㎡~20㎡以内

■築年数|築35年

■土地権利|所有権

■所在階数|5階以上

■管理費等|8400円(※7)

■室内設備|ミニキッチン、3点ユニット(※3)


 

用語の補足

※1想定賃料

想定賃料とは、現在は空家のため入居者がいない状態です。募集賃料として毎月収入を得られる目安額が想定賃料です。


※2表面利回り

年間に頂ける賃料の総額から購入価格を割って100をかけることで求める計算です。

25,000円×12ヵ月=30万円

30万円÷250万円×100=12%


また、単純に収入から購入額の算出のため、実際に手元に残る金額とは違います。

詳しく求めるためには、購入時にかかる登記費用(※4)、不動産取得税(※5)、固定資産税等(※6)、管理費等(※7)などを支出額として収入から差し引いた金額で計算します。詳細の内訳がわかればわかるほど、より具体的な数字が見えてきます。


※3 3点ユニット

浴室、洗面、トイレが一つの箱に入っている設備を3点ユニットと呼んでいます。

他には「ユニットバス」とも呼んでいます。

浴室、トイレがそれぞれ独立しているタイプは「セパレート」と呼ばれています。


※4登記費用

不動産を購入する際に、今現在の所有者(売主)から新しく購入する(自分)へ名前の書き換え手続きを行います。その時に書き換え料として税金が発生します。これを登録免許税と呼んでいます。また、基本的には名前の書き換え手続きは司法書士の先生がお手続きしてくださいますので別途、司法書士の先生へお支払する報酬が発生します。


※5不動産取得税

不動産を購入した際にかかる税金です。購入時の1回のみの税金です。

ご自身が住むため用のお家で定められた条件をクリアしている場合、この不動産所得税は発生しないケースがあります。但し、不動産投資物件では適用はありません。


※6固定資産税等

上記5の不動産取得税は購入時1回のみの税金ですが、固定資産税等(固定資産税・都市計画税)は、毎年発生する税金です。

経済、社会の動向により土地の価格が上昇すると、土地の固定資産税、都市計画税は上昇します。但し、建物については毎年緩やかに減少していきます。

建物が古くなっても0円にはなりません。


※7管理費等

この管理費等はマンション全体で管理されている管理会社へ支払う管理料、建物の維持管理のために積み立てる修繕積立金の両方を含んだ額を指しています。

★ご自身が所有されたのちに、自分で管理をせず、他者(管理会社)へ依頼される場合の管理会社とは別になりますので混同しないように注意してくださいね。


 

さて、以上を踏まえて見ていきましょう。


まず、一番大切な利回りについてみていきます。

先ほど、表面利回りは12%となるのがわかりました。


現在わかっている「管理費等」を毎月の想定賃料から差し引きます。そして、ご自身が所有するお部屋の管理を個別で依頼する管理会社へ支払う管理料(こちらも想定)も差し引いて計算します。


毎月の家賃収入|25,000円

毎月の支出|①管理費等8,400円/②個別管理会社への管理料3,300円。合計11,700円

収入25,000円ー支出11,700円=13,300円


13,300円が現在わかる毎月の収入となりました。後は、固定資産税等を差し引く必要がありますが、ここでは不明確なので計算していません。


13,300円×12ヵ月=159,600円


この収入額を先ほど、表面利回りで計算した計算式に当てはめると


159,600円÷250万円=6.38%


表面利回りからおおよそ半分近く減少しました。


 

続いて購入する際の資金面で見ていきましょう。


①250万円全額を借入する場合(金利5%、変動金利、返済期間7年)


①毎月の返済額35,334円

②返済の利息合計468,080円


収支のバランス


収入13,300円-35,334円=▲22,034円


これでは毎月たりないため手元資金より付け加えて返済が必要ですので計画的ではありませんよね。


 

②250万円の内100万を借入する場合(条件は上記と同じとします)


①毎月の返済額14,133円

②返済の利息合計187,215円


収支のバランス


収入13,300円-14,133円=▲833円

これでも毎月収入で返済することはできません。

しかしながら返済する利息額を比較するとわかりやすいですが、約28万円ほど減少しています。


※今回はあくまでも例題での設定のため、各金融機関によって、金利や借入期間、借入金額など変わってくると思いますので、金融機関さんへご相談の上お選びください。


 

【まとめとして】

購入価格300万円以下の不動産投資物件は、

家賃収入が低いため、様々な支出を考えると手元に残る資金は僅かです。

現金で購入すれば金利のことを考えなくてよいですが、手元資金が減少するのはなるべく避けたいです。

しかしある程度現金を入れないと無駄な利息を支払うことになることにもなります。


手元資金のバランスを考えて使用する現金の使い方が大切です。


中長期保有を考えての投資物件なので、20年間保有することを前提とすると


①250万円全額での借入期間中

■1~7年目まで(7年間)

毎年264,408円赤字×7年間=▲1,850,856円(A)

■8年目~20年目まで(13年間)

159,600円×13年間=2,074,800円(B)


(A)-(B)=223,944円


20年間保有で223,944円の収入


不動産投資物件としては魅力がほぼないですね。

この間に固定資産税、都市計画税が発生するのと入退去の際の改装が発生することを考えるならば恐らく20年保有していても黒字になるとは思えません。


②250万円の内100万のみ借入の場合

■1~7年目まで(7年間)

毎年9,996円赤字×7年間=▲69,972円(A)

■8年目~20年目まで(13年間)

159,600円×13年間=2,074,800円(B)


(A)-(B)=2,004,828円

こちらの場合であれば、大方収入をキープできている状態です。但し、固定資産税、都市計画税含め上記と同じ問題は考慮が必要です。


これも単純な計算になりますが


①投資金額0円(全額借入)の場合

20年間で得られる収入はほぼゼロなのでそれ以上の保有期間がないと収支を生み出すのは難しいです。

但し、手元資金の減少はほぼなさそうです。


②投資金額150万円(100万借入)の場合

20年間で150万円の投資額を回収はできそうですが、20年間経った時点では収支で考えると全額借入をしたのとほぼ同じ結果となりそうです。


 

ご覧頂きましていかがでしたでしょうか?


不動産投資物件で購入価格が安いと思って興味を惹かれても

表面利回りが目安の10%を超えていても


つまるところ、物件自体の家賃収入、毎月の支出こちらをしっかりと見て収支バランスを考えないと結果的には不動産を所有することはできても収益を生みだせていないことがわかります。


今回の物件で考えるならば


①家賃設定が決まっているなら購入価格をさらに安く買える物件

②購入価格が決まっているなら家賃設定が高い物件

どちらかを選択することで収支バランスが変わります。


今回は帯身に短したすきに長しの物件だったと私は感じました。

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