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  • 執筆者の写真Takayuki

不動産投資 競売(賃借人・占有者)の賃貸



過去の記事でも少し取り上げた話題ですが、ネットでの検索を見ているとタイトルのような質問を見つけたので今回はそちらをテーマとして取り上げてみたいと思います。


タイトルでは短くしてましたので、今回のテーマとしては、


競売で落札した物件の賃借人が住んでいる場合の賃貸借契約継続と占有者(元所有者)を賃貸で住まわせる場合のメリット・デメリットです。


まず、賃借人が住んでいるケースから見ていきましょう。


賃借人が住んでいるケースで考えられるケースは大きく分けると3つです。


1.最先の賃借権による賃借人


2.6か月猶予による賃借人


3.疑わしい賃貸借契約


こちらの言葉も何度か取り上げておりますが、おさらいとして今回も見ていきましょう。


1.最先の賃借権とは?

これは、競売になる要因となった抵当権・根抵当権などの債権者よりも先に、賃貸借契約を結んで住んでいる方を指します。


なので、先に行っている方なので一番に優先しましょう。そのような考え方になります。


この場合では競売になって落札されても、すでに住まわれている賃借人の方は退去する必要がなくそのまま住み続けることができます。


2.6か月猶予とは?

こちらは先ほどの説明と反対に債権者よりも後に、賃貸借契約を結んで住んでいる方を指します。


なので、落札された後は住む権利を失うことになります。


しかしながら、落札されてすぐに退去せよ!っと、なってもすぐに引越しができるわけではないので、引越しする期間として6か月間、半年間時間をあげるので退去してください。

ということになります。


3.疑わしい賃貸借契約

こちらは3点セットにある執行官の意見などでもコメントがされたりしていますね。

・競売になる数か月前に契約をして住み始めている。

・契約しているけど、まだ住んでいない。

・契約はしているけど契約書はない。


このような場合は執行官の意見書の中でも賃借権を否定している考えを示す場合や、疑わしいなど入札する方へメッセージを発しています。


収益不動産として正常な賃借人に貸し出しを行う上では1.2.に該当する場合のみですよね。


3.に至っては表立って言えない隠れた債権者が何かしらの目的でお部屋を占有している可能性もありますので、そもそもリスクが高い物件(余計な支出が予測される)への入札は不要かと思います。

ただし、その反面入札件数が少なくなる傾向なので、最低入札価額で落札できる可能性はあります。

いずれにせよ、競売未経験の方が入札するにはハードルが高いので、まずは正常に近い競売物件の入札、落札から始めて下さい。


さて、

1.最先の賃借権

このケースであれば、賃借人も退去する必要がありませんので、そのまま住み続けてもらえる可能性も高いです。

入札を行う上では一番の狙い目だと思います。


しかしながら、室内の様子については僅かな写真での判断しかできません。

長く住み続けて下さっているということはありがたい反面、室内の設備も動作不良を起こしやすいこともあります。

また、退去された場合、室内の改装費もそれなりに発生する可能性があることを予定しておくことが大切かと思います。


そして、家主が変わることで賃料交渉を行ってくる賃借人もいらっしゃいます。


落札者としては、そのまま住み続けてくれると期待して落札されているかと思いますので立場的に弱く、また経験数が少なければ押し切られてしまう方もいらっしゃるかも知れません。

そうならないためにもしっかりと周辺の賃料の相場を把握しておくことが大切です。


稀に古くから契約されている方は賃料が高いケースもあるので、その辺は臨機応変な対応も必要かと思います。


2.6か月猶予

この場合は微妙ですよね。

中に住まわれている賃借人によってとらえ方は様々な気がします。


・半年後には退去しないといけない。

・ややこしいから、引っ越しの準備を進めよう。

・よくわからないから、何かあるまでは住み続けてみる。


収益として落札する側に立つと退去してもらうよりも住み続けてもらう方が良いですよね。

単身向けとファミリー向けでもとらえ方が違うでしょうから、その点も考えておく必要があると思います。


この場合は、落札者側からアクションをしていく必要があるので、早い段階で落札したことを伝えて、住み続けてもらっても良いとお話するのがよいでしょうね。


そして、新たに賃貸借契約を巻きなおしておけば良いかと思います。

その場合には先ほどと同じく賃料の交渉があると思いますので、その点は先ほどと同じ対策をお勧めします。


※ファミリー向けの物件を落札した場合では

①そのまま賃貸で貸し続ける

②今の賃借人に買取してもらう。

③退去後はさらに賃貸募集を出す、もしくは売却する。

6か月猶予は3つの選択を持てるので一番良い入札案件ではないかと私は思っています。


■占有者(所有者)への賃貸

占有者への賃貸への最大のメリットは


既に住み続けてきたお家の為、賃貸・売却のための修繕が不要。

賃貸後のクレームが考えにくい。


最大のデメリットは


家賃の滞納がありえる。


何度も書いていますが、占有者の話は信じてはいけません。約束事に至っては特にそうです。

私自身の経験ではすべての方が嘘をつく、約束を守らない。

そのような方ばかりではありませんでしたが、でも実際に存在はしました。


占有者がご高齢の方や行き先がなく困っているような方から言われれば、家賃を支払うと言ってもらえているなら信じようとも思いたいのですが、最終的に裏切られる可能性が高いです。


なので、占有者から賃貸させてほしいと言われた場合はお断りされることをお勧めします。


余談ですが、


落札した後に、とある不動産会社から電話がかかってきました。


話の内容を聞くと、賃貸借契約を結んで今の占有者を住まわせてもらえないかとの相談でした。


早めに不動産会社へ相談に行かれている占有者なので、まだ話し合いが持てる人かもしれませんが、前職では賃貸物件は保有しなかったためお断りしていました。


からくりは、その不動産会社の後ろにいてる金主へ利回り計算を行って、収益ベースに見合う金額で入札に参加されているそうです。


金主が落札できれば、そちらとの賃貸借契約。


他者が落札した場合は、そちらの落札者へ連絡を入れておられるようでした。


私自身も何度かそちらの不動産会社からお電話を受けていました。


数回続けば、


「確認ですが、今回も賃貸で貸し出しされませんよね?」


そのようなやりとりになってました。


ただ、個人的にありがたかったのは、落札結果を傍聴行けていない時などに、そのお電話を頂けると自社が落札できたことを知ることができたので、助かっていました。


と、いうわけで占有者へは賃貸で貸すことは止めた方がよいです。後から平気で約束を反故にされます。

人間不信にならないためにも、ビジネスと割り切った対応をお勧めします。

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